【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
*遠いよ、葉月くん
「んぅ……、」
カーテンの隙間から射し込む太陽の光を浴びて、私はうっすらと重い瞼を開いた。
完全に目が覚めない視界の中に、長いまつ毛とサラリと流れる黒い髪が映り込んで……。
え……?
「……っ!?」
パッチリ目を開けると、微かに寝息をたてる無防備な葉月くんの寝顔が目の前にある。
そ、そうだ……。
私、葉月くんの家に泊めてもらって、同じベットで寝たんだ。
だから隣で葉月くんが寝てるのも当たり前なんだけど……。
「な、なにして……っ、」
起こさないようにそっと起き上がろうとしたのだけど、そこであることに気づいた。
な……なんで……!?
葉月くんの腕がしっかりと私の背中に回っている。