【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
ここで作業してたんだ。
開け放った窓から部活動に励む生徒の声が聞こえる。
「ベットから落ちなかった?」
私に気づいた葉月くんが、振り向きざまにそう言って笑った。
「……落ちて、ない」
落ちるわけないでしょ……。
葉月くんの腕にしっかりホールドされてたんだから……っ。
だいたい、いつからああなっていたんだろうか……。
明け方? 夜中?
「……ていうか、葉月くん作業は!?」
「終わったよ?」
目を落とした先には、劇中で使用するお城の門が出来上がっていた。
「すごいよっ、葉月くん!もう出来ちゃったの!?」
細かい部分まで綺麗に色塗りされていて、その完成度の高さにあっと驚かされる。
「他に終わってない作業あったら回して?」
「ありがと!じゃあこれ、一緒に教室に持っていこ?」