【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「わざわざいいよ」
「いやいやダメだよ!借りたものは洗って返します!」
「じゃあ、それ返す時また俺ん家に来るってこと?」
「えっ!ち、違う……学校で返すよ!」
「ふーん。残念」
なんて言いながらイタズラに笑う葉月くんに、またもやからかわれる始末……。
昨日の出来事にはとても触れられない私と、いつも通りの葉月くん。
ドキマギしながら一緒に教室へ引き返していると、外周を走る運動部の男子と数人すれ違った。
その中に、飛鳥くんがいることに私は気づいた。
あ……こっちに来る。
葉月くんは、気づいてるのかな……?
その距離は徐々に近づいていき、飛鳥くんの姿がしっかりと確認出来る。
葉月くんに目をやったけど、視線は飛鳥くんの方を見てはいなかった。
……でもきっと、気づいているはず。