【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
イケメンにしか興味のなかったあの咲希ちゃんが……。
照れくさそうな横顔が、やっぱり咲希ちゃんらしかった。
いつか葉月くんの良さを知ってもらえるんじゃないかって思ってて、だからこそ今それを聞いて、胸に込み上げてくるものがある。
葉月くんにも、聞いてほしいって思ってしまう。
「もっ、もちろん……あの葉月が、イケメンなんてことは99パーないだろうから!?わたしと話したことを境に、性的な対象で見られても困るけどね!」
自意識過剰にも程があるけど、それなら100パーセントないと思うから安心していいよ咲希ちゃん。
それに、99パーイケメンだと思う。
「おっす羽澤!」
そこへ、私と咲希ちゃんの元に陽気な声が舞い込んできた。
「なに及川?今は緊急会議中よ!上層部以外、立ち入り禁止なの!」
上層部もなにも、私と咲希ちゃんだけなんだけど……。
「悪い悪いー。ちょっと困ってて、聞きたいことがあってさ……」
「どうしたの、及川くん?」
「そういうことなら、会議室への入室を許可してあげるわ」
咲希ちゃんが困り顔の及川くんを輪の中へ招き入れた。