【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
* * *
放課後、手が空いた人達数人で、宝石を探すことになった。
「いーい!?まずは、及川が行った場所を、もう一度徹底的に探し出すのよ?」
お、おい……仕切り屋が顔を出したぞ、と男子がヒソヒソ話していたけれど、夕方の動画配信よりも探し物の協力を選んだ咲希ちゃんに及川くんはお礼を言っていた。
「よし!じゃあ行くわよ!」
隊長……ではなく、咲希ちゃんの号令を合図に手分けして搜索活動が開始された。
私は葉月くんが気になったけど、もう既に教室にはいなかった。
宝石はとても小さい。
ビー玉くらいって言ってたし、見落とすわけにはない!
及川くんの足取りを辿って、体育館へ続く廊下、空き教室、衣装合わせをした視聴覚室、下駄箱……と、探しに行ったけれど。
未だ、発見の報告は届いていなかった。
「ダメだ……どこにもないな」
「もう、これ以上は……」
「俺のせいで、本当にごめん……」
再び教室に戻ってきたみんなは、諦めムードになっていた。