【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「あ……っ」
その時、私は葉月くんとゴミ捨てに行ったことを思い返して、もしかしたらと思った。
「ちょっと待ってて!」
「え、琴莉……?どこ行くのよ!?」
教室を駆け出して、下駄箱で靴を履き替える。
雨音は叩きつけるように激しく、風も強い。
今外に出れば、ずぶ濡れになること間違いないだろう……。
でも、迷ってる時間はない!
少しの可能性にかけて行くしかないのだ!
私は意を決して外へ飛び出すと、ゴミ倉庫を目指して走った。
ぐぬぬ……っ。
バケツをひっくり返したような雨が身体を叩きつけてくるし、風で髪は捲れ上がっておでこ全開だし、悲惨すぎる……!
前さえまともに見えないよ……!!
ゴミ倉庫が見えてきて、私はスピードを上げた。