【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「断ります……っ、それは葉月くんがカッコいいからじゃないです!そりゃ、あの……カッコいいけど……。それに、本当は何でも出来るからじゃない!」
「なに言って……っ、」
「このままだと、本当の葉月くんが消えちゃいそうな気がするから……っ!」
「……っ、」
そんなの絶対に嫌だよ、葉月くん。
「それなら私は……東條先輩にだって、葉月くんにだって逆らいます……っ!絶対に、そんなの嫌です!」
もう叫びに近い声だった。
眉を吊らせて怒る東條先輩の顔は真っ赤で、けどなぜだか、泣きそうに見える。
「……あなた、顔だけじゃなくて頭も悪いのね!」
「東條先輩こそっ、顔はよくても中身は知れば知るほど最悪じゃないですか!」
そこからは、子供以下の喧嘩だった……。
お互い恥ずかしげもなく悪口を言い合って掴み合って、騒ぎに気づいた野次馬は「見なかったことにしよう……」と去っていく。
「み……湊音に関わらないでよ!」
「東條先輩こそ、私に関わらないでくださいよ……!」