【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
葉月くんの秘密は、最初に言われた通り、はなから私が簡単に当てられるわけがなかった。
「調査終了。もうこれ以上、俺に踏み込まないでくれる?」
ようやく私へ振り向いた葉月くんを、沈みかけた太陽が照らす。
そのまま葉月くんのことも連れ去ってしまいそうに感じて、たまらなく泣きたくなった。
……けれど。
「嫌だ……っ」
「は?」
「本当の葉月くんが消えちゃうのは、嫌だって言ってるの……!」
そんなの絶対に嫌だよ、葉月くん。
「羽澤……?」
心底驚いた葉月くんがそれを隠すことなく私を呼んだ。
「そ、そんなの……葉月くんにだって消させないよ!だったら私は、神様にだってに逆らうし、葉月くんにだって逆らうよ……っ!」