【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「なんでわかったの?」
「飛鳥くんが教えてくれたの。跳んだ瞬間、こうやって外の世界を見てる葉月くんを見つけたって」
私がさっき飛鳥くんに教えてもらった秘密。
飛鳥くんが見上げた先を追いかけたら、窓の縁に肘を乗せるひとりぼっちの葉月くんの姿があった。
「葉月くんのメガネ、反射してたよ?」
「なにそれ。隠したつもりがあだになったってわけ?」
私がクスッと笑うと、葉月くんもちょっと不服そうに笑った。
「飛鳥くんが跳べるようになった理由、葉月くんならもうわかるでしょ?」
逆に、今跳べなくなってしまったことだって、葉月くんだからわかるんじゃないかな。
「わかってるよ。俺が一番」
その言葉に、今度は私が目を見張った。
「なに?なんで羽澤が驚いてんの?」
「だって、前に飛鳥くんも同じこと言ってたよ?」
「は」
「あはは。両想いだね?」
私まで嬉しくなるから顔が緩んじゃう。
そんな私を葉月くんが見逃すわけもなく、
「羽澤のくせに生意気」
そう言って、私の頬っぺをつまんだ。