【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「俺の記憶のど真ん中、誰が独占してると思ってんの?」
「独占……って、私が?」
「いつまで居座り続けるつもり?」
言いながら、葉月くんが制服の裾で私の鼻をゴシゴシと拭いた。
「ねぇ、いつまで?」
……と。
口角を上げた葉月くんが追求してくる。
肩が触れ合うくらい近い距離のせいもあって、顔は真っ赤だと思うし、頭はぐるぐるしてるし、なかなか答えられない。
……だけど、答えは。
「ず……ずっと、がいいです」
「じゃあずっといて?」
間髪入れずに葉月くんが言うから、私はさらに慌てるはめになる。
いつも葉月くんは、私に少しも余裕なんて与えてくれない。