【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「えっ?なに?後ろ?あ………」
硬直する私と咲希ちゃん。
その後ろに立ち止まるのは言われ放題の葉月くん。
私には見える、“裏”葉月くんの放つオーラがビリビリ伝わってくる……。
どうすんのよ、咲希ちゃん!?
「………え?焼きそばパン3個食べるって!?もーっ、琴莉ってばデブ活するつもりー!?」
は……?
散々好き勝手に発言した挙句、まるで何事もなかったかのように友人を売るという切り返し技をかましてくる彼女は、本当に私の友人か……。
「さ、さて、カフェテリアに急ごっか!」
咲希ちゃんのバカぁ!
背後の葉月くんをチラっと見ると、こっちに顔を上げた。
ヒッ……。
猫背ではなく、背筋を伸ばして顔が見えるようにハッキリと私を見る。
こんな妖しく笑みを宿す葉月くんを、誰も知らないのだ。
葉月くんから逃げるように咲希ちゃんを追いかけた。