【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「葉月くんには、言わないでって言われたから伏せてたけど」
あの時、やっぱり正直に伝えていればよかったって今さら後悔が押し寄せる。
「そっか。だから、わたしに聞いてくれたんだ」
宝石を作ったその子がそっと立ち上がった。
「一度だけ葉月くんに聞かれたの。どんな宝石で、色や形を教えてほしいって……」
葉月くんが見つけてくれてよかった、とその子が笑った。
そんなことがあったなんて、全然知らなかったよ葉月くん。
葉月くんは、ホントに隠すのが上手だね。
だからいいところまで隠れちゃうんだよ。
「……じゃあ、なんで及川のこと連れ出したんだよ!?」
それは、私にもどうしてかはわからなかった。
ただ、及川くんはいつもとは違う様子に見えた気がした。
「みんな聞いてくれ!悪い知らせだ」
その時、血相を変えた馬面が教室内に飛び込んできた。