【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


「これなら少しはマシだと思うんだけど、ダメ?」



ずっと下を向いていた顔を上げて、猫背だった背中をしゃんと伸ばす素顔の葉月くんに、誰もが目を奪われた。



「………!?」



突然現れた素顔の葉月くんに、馬面を含めたクラスメイト達は、顎が外れそうなくらい驚いて、固まって、瞬きを繰り返した。



「はぁ!?葉月っ!?」


「あの葉月くんご本人でいらっしゃる!?」


「いやいやいや、嘘だろ?」


「謎のイケメン…………え?わたし、立ったまま夢見てんのかな……」



素顔の葉月くんに、最初私も驚かされたことがちょっと懐かしく思える。



「及川の代役、やってもいい?」


「いい!いい!いい!」


「いやそりゃもうっ、是非!」



私を尋問にかけた女子はコクコクと頷いて目を輝かせてるし……。

< 277 / 321 >

この作品をシェア

pagetop