【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「今度からはあらかじめ代役も決めておこ?」
そんな助言をされた監督の女子は「次回から主役は葉月くん一択」と頷いて、惚れ惚れしている。
「葉月……お、お前コンタクトの方がいいだろ絶対!」
「誰だ!陰キャ総選挙なんてやったのは!」
「お前だろお前!」
「いやあの……わ、悪かったよ葉月……」
そんな男子達に声をかけられて、葉月くんがクスッと笑っている。
こんな風に、いつかみんなに囲まれる日が来るなんて、あの頃は想像もしていなかった。
だから少しだけ、その後ろ姿を見ていたら寂しくなる。
でも、葉月くんが望めば、優しい世界はちゃんとここにあったよね。
……よかった。
葉月くんがそれを見つけられて。