【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
そんな私とは違って身体のラインがわかるその衣装を、しっかり着こなしている。
「変?」
ふっと笑って問いかけてくる。
私はぶんぶんと全力で首を横に振った。
「葉月くんっ!すっごく似合……」
「うわぁ!すごく似合ってるね、葉月くん」
葉月くんを見つけた女子が数人、駆け寄ってきた。
「こんなにカッコいいなんて知らなかったよ!やっぱりあのメガネのせいかなぁ?」
「ねっ?葉月くんイケメンなのにもったいないよ?」
か、会話に入る隙が微塵もない……。
仕方ない……。
邪魔にならないようにステージ裏の隅っこで、出番を待とう。
「そうだよ!超イケメンなのに、誰も知らなかったなんてさ!?」
すると、少し離れた場所から見つめている私に、葉月くんが目を向けた。