【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
すると、葉月くんが私の顔と小鳥役の衣装を交互に見て口角を上げた。
「こっ、これはその、小鳥役だからこの衣装で!監督の子の指示で、羽もつけなきゃいけなくて……っ」
目を白黒させながら、私が必死に言葉を手繰り寄せるていると……。
私の耳の横に手をついて、葉月くんが顔を近づけてきた。
「そういうとこも可愛すぎ」
「……!?」
「なんてね?」
クスッと笑った葉月くんに何か言い返したかったけれど、ドキドキしてそれどころじゃなかった。
「葉月ー!そろそろ出番だぞー!」
観客席の照明が落とされて、ひとりの男子が呼びにくる。
そっと私から身体を離した葉月くんが、もう一度振り向いた。