【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
その言葉が聞こえた瞬間、私はもう限界で。
「だ、ダメぇ……っ!」
叫んでしまったことに自分でもビックリした。
「え?羽澤さん!?なに!?」
それでも勢いよく立ち上がった私は、隣の席の葉月くんの手を掴んで……。
「ご、ごめんなさい!ダメです!」
何がダメなのかと聞かれたら上手く説明がつかないけれど……。
「は!?ちょっと、どこ行くの!?」
背中に咲希ちゃんの大きな声が追いかけてきたけど、私は振り返ることもなく、葉月くんを連れて教室から走り出した。