【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
人混みの中に、のろのろ歩く葉月くんの姿を発見!
「葉月くーーーん!!」
叫びながらごった返した廊下を進んでいく。
聞こえていないらしい葉月くんが先へ行ってしまう。
……って、あれ?
今いたはずの葉月くんの姿を見が見当たらない。
確かにここにいたのに!
カフェテリアのすぐ向かいにある多目的室の前を歩きながら、辺りを探していたその時。
───グイッ!
「え……っ!?」
突然腕を掴まれた私の身体は、あっという間に多目的室へと引っ張られていく。
中に押し込まれ、誰なの!?と確認する暇もなく壁へ背中を押し付けられた。
「危機感なさすぎじゃない?」
どこか笑みを含んだ声が頭の上から降ってきて、ハッと息を飲んだ。
「葉月、くん……っ」
こんな強引な真似をしたのは葉月くん。
それも、“裏”葉月くん……。