【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


そ、そんな……。



「もう全部解いたと思ったのに……葉月くんってば、秘密ばっかりだよ!」


「当ててみて?」


「わ、私も知らない秘密……?」


「そう」



まさかまだ秘密があるなんて。


うーん、と私が考えていると、葉月くんが笑った気配がして顔を上げた。



「もういい?そろそろ限界」


「っ、」



そして、葉月くんは私の頬を両手で包み込んだ。



「葉月……くん?」



至近距離にいる葉月くんの顔が鮮明に映る。


それはとても近くて、今にも吸い込まれそうなくらいで。



「───俺がお前にベタ惚れってこと」



誰も知らない秘密を解くと、葉月くんのキスが降ってきた。


葉月くんは、やっぱりとこまでもズルい。


私の心を葉月くんでいっぱいにさせるから。

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