【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
朝からずっとこうだ。
正しくいえば昨日の朝から。
どういうつもりなのか知らないけど、琴莉が俺から逃げまくってる。
んで、避けられてる。
指一本触れさせてくんないどころの話しじゃない。
隣の席だってのに、授業中も断固として琴莉はこっちを向かない。
向かないというよりかは、俺の顔を見ないことに全神経を集中させてる。
そんなに見たくない?
休み時間になる直前にはフライングして木ノ下の席に走り出す。
「なんだ羽澤!それほど俺の授業が終わるのが待ち遠しいのか!?だいたいお前は先月だって俺のことを馬面呼ばわりして──」と、当然だが馬面に怒鳴られていた。
俺、琴莉が嫌がることした?
「葉月達って、付き合ってまだ少しだよなぁ?まさか葉月……お前、羽澤にその……っ、え、エロいことしたんじゃないだろーな!?」
「は?するわけないでしょ」
したいけど、とは及川には言わなかった。
てかなんで及川が顔真っ赤にしてんの?