【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「おーい!琴莉ー!早くしないと金曜限定メガ盛りトルコが売り切れちゃう!早くー!」
「ま……待ってよっ、咲希ちゃーん!」
いた……琴莉。
廊下の少し先に、木ノ下の後ろを小走りで歩く琴莉の姿がある。
「琴莉」
「……っ!?」
声をかけたはいいが、なぜか琴莉がギョッとした顔を俺に向けてくる。
「おいおい葉月……やっぱりなんかしたんじゃないのか?羽澤の奴、ビックリしすぎて二重顎になってるぞ……」
ホント、すごい顔してる。
「そういうとこも可愛いんだけどね?」
「やっぱ変わってんな……葉月……」
その場に立ち尽くす琴莉に近づくと、
「……ダメダメダメ!葉月くん、まだダメ!」
後ずさりした数秒後、琴莉が勢いよく走り出した。
は?
で、そのまま先へ行った木ノ下を追い抜いて姿を消した。