【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


* * *


「……葉月くん、帰らないの?」


「誰かさんが帰るときに帰るけど?」


「うっ……」



あからさまな顔を彼氏に向ける女子のその真意はなんなの。


放課後、いつまで経っても帰ろうとしない琴莉は自分の席でスマホとにらめっこしてる。



「なんで避けてんの?」


「……」


「聞いてる?」


「……っ、」



琴莉のブレザーの袖口に指を突っ込んで引っ張ってみる。



「……っ、ちょ、葉月くん……っ!」



あ、やっとこっち向いた。

困った顔してるお前って、なんでもっと構いたくなるんだろうね。



「帰んないの?」


「ま、まだ……!これは調査なの!」



再び熱心にスマホの画面を見ている琴莉。

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