【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


「なんで?」


「だって……私まだ咲希ちゃんから完全に情報を得てなくて……雑誌読んで研究してるつもりだけど、やっぱりまだ……っ」


「研究?」


「う、うん!雑誌っていっても決していかがわしいものじゃないからね!?女子の、お悩み相談って感じのページで……っ」



しどろもどろになりながら、琴莉は精一杯の主張をしてくる。



「なので、えと……キスより先はあの……心の準備も必要でして……」



キスより先───そんなの、今は俺の方が考えてなかったんだけど?


琴莉が可愛すぎてベットに押し倒したくなる気持ちがないわけじゃないけど、それだと琴莉がもたなそうだからしないだけ。


それに、及川の言うように、琴莉の嫌がることをして嫌われるのだけは耐えらんない。


そもそも、俺だって考えたことはある。

したいに決まってる。

だけどそれって琴莉の気持ちが最優先で、タイミングってもんもあるわけでしょ。



なのにお前は───

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