【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「だからすぐそうやって口閉じないで?」
「だ、だって……前は、葉月くんが……閉じてって言ってて……っ」
琴莉が鍵を忘れて俺の部屋に泊まった時のことを言ってるんだろう。
「うん。言ったよ?でも今は逆」
「逆………?」
「こういうことだよ」
熱でもありそうなくらい熱くなった琴莉の頬をそっと両手で抑える。
出来ればゆっくりキスしたかったけど、自分から口を少し開けて俺のキスに応える琴莉に、ここは止まってあげたくても止まれそうにない。
「っ、」
琴莉の首筋に唇を這わせてキスを落とすと、ピクリと身体を震わせた。
その反応があんまり可愛いから、本当はその先まで……なんてね?
もっとしたかったけど、自分でも本気で抑えがきかなくなりそうだからいい加減やめとく。
「葉月くん……ズルい……っ!」
「それは俺の台詞」
照れてるような困ったような曖昧な表情をしてみせる琴莉の髪をそっと撫でて、俺は笑った。