【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
* * *
「え?それ、さっきのトンネルで……?」
ベットから降りて、ブレザーを着直す琴莉が驚いて声をあげる。
散々俺のこと避けたんだから、これはほんの仕返しのつもり。
「だからそうだって。どっかの学校の制服着てた髪の長い女とすれ違ったろ?あれ、琴莉の知り合い?」
「へ……?髪の……長い……女の人?」
トンネルで見えるはずのない存在がいたってことを琴莉に伝える。
もちろん、嘘。
「なにとぼけてんの?あの女、琴莉のことずっと見てたろ?」
「………っ、ひえぇっ!嘘だよ!だって私見えなかったもん!」
「ふーん?じゃあその女、どこに消えたの?」
「……」
ぷるぷる震えながら一歩俺に近寄る琴莉。
やば、吹き出しそう。