【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「もしかして、琴莉に憑いてきちゃった?」
「ヒェッ……むっ、無理無理無理……っ!ごめんなさいー!」
ギューっ、と琴莉が俺の胸の中に思い切り飛び込んでくる。
てか、抱きついてきた。
「ぷっ……」
堪えきれずに口もとが緩んだ。
琴莉が、こんなに素直に騙されてくれるから。
たまにはこんな風にからかうのも悪くないでしょ?
「葉月くん……それ本当なんだよね!?」
抱きしめ返すと、琴莉が俺の胸の中で顔を上げた。
「はっきり見えたよ?あ、琴莉と観た映画に出てきた“ソレ”に似てたかも?」
「ぎゃっ……!ま、まださまよってたの!?嘘だって言ってえぇぇぇ!」
それはしばらくダメ。
──もう少し秘密にしておくけど、いいよね?
fin.