【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


「葉月くん……!咲希ちゃんが……っ」



すくそこまで来ている!?



「SNSと動画配信とイケメン好きの木ノ下がどうした?」



まるで挑発するみたいな口調の葉月くんを、私は血相を変えて見上げる。



「見つかっちゃうよ!こんな状況言い訳もつかないってば……」


「なんで困るの?」


「こ、困るよ!咲希ちゃんに誤解されるもん!」



葉月くん観察と並行して何大胆なことしてるんだって追求されるし、万が一他の人まで駆けつけてきて変な噂にでもなったらどうするの!?



「確かに俺も、お前以外に興味持たれても困るんだよね」



へ……?


葉月くんがそう言った直後。


刻一刻と迫る咲希ちゃんの足音に混ざって、



「羽澤さんならこの辺にいたよ?」と、声まで聞こえてきた。



マズい……!!



「琴莉ー?ここにいるのー?」


「羽澤さーん?お昼休み終わるよー?」



もう、ダメだ……。

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