【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
私達はしばらく放心状態……。
まだ掴まれていた手には葉月くんの体温が残ってる。
「だ、だ、誰なのよあの国家が認める程のイケメンは!?人違いで襲われるとか羨ましいんだけど!!」
当然、正体に気づくことのない咲希ちゃん。
ウチのクラスの陰キャ総選挙第一位のあの葉月くんですよ……。
なんて言えるわけもなく、なぜか葉月くんの出してくれた助け舟に救われたのだった。
結局……人違いだからどこの誰かもわからないと私も誤魔化したのだけど。
最大級のイケメンがこの学校に存在するらしい!と瞬く間に噂になったのだ。
なんで私は、ドキドキしてるんだろう。
あんなことされたのに……っ。
そして、私は知ることになる。
“裏”葉月くんは、もっと危険なオオカミだってことを。