【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「それだけ頭がいいってことなの!それに、一学期のテストだってほぼ満点だったんだよ?先生達もビックリしてたもん」
「そんなの勉強しかやることがないからとか?」
「……」
一方的に決めつけるその根拠がどこから湧いてくるのかを逆に問いたい……。
「それだけじゃないよ!?体育祭の時だって、絶対100メートル走で手抜いてたと思うの!」
ゴールテープを持つ係だった私は、その時も近くで葉月くんを見ていた。
他の走者は鼻の穴を全開にして走る中、葉月くんだけはちっとも表情を変えずに、すーっと走ってナチュラルにゴールした結果が三位だったのだ。
一番でも最下位でもなく、なんとも無難な順位である。
「わざと狙ったのかなって」
「たまたまじゃない?てか見すぎ」
「あのメガネだって、ホントはイケメンすぎるが故に女子からモテすぎて困るから、素顔を隠すアイテムなのかも……!」
「少女漫画の見すぎ」
「……前髪で目元を隠して下を向いてるのも、人気雑誌non・nonのモデルってことをバレたくないからとか!?」
「夢見すぎ」
ぐぬぬ……。