【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「……お前なぁ」
手で目元を覆うように、さらに顔を隠そうとする。
ただでさえ普段からメガネで隠してるくせに。
「葉月くんズルいよ!もっと顔を隠すなんて!」
私はさっきよりも近づいて、隠そうとしている葉月くんの顔を下から覗き込んだ。
すると……“裏”葉月くんから感じる余裕みたいなものがまるでない。
「へ?嘘……葉月くん……困ってるの?な、なんで?」
不思議に思い尋ねてみると、なぜか葉月くんはぷいっとそっぽを向いてしまった。
「……困ってるよ。ズルいのはお前の方だろ」
「な、なんで!?」
困らせられているのはいつも私の方なのに!
その結果、調査だって難航してるし。
「……もう黙れって。顔戻んなくなる」
「っ、」
はぁっ、と溜め息混じりに落とした声に視線を向ける。
微かにほんのりと赤く染まる葉月くんの頬に、私はまたまた驚かされた。