【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


「やっぱり、葉月くんは女子が苦手だってことはないの……?こんな誰も出入りしない資料室だって、葉月くんの隠れ家だったり……?」


「苦手ってのはハズレ。ただ誰も出入りしなくて楽だから気に入ってるだけ」


「でもっ、私に見つかっちゃったよ!?」


「羽澤が尾行してきたからでしょ」


「ご、ごめんなさい……」



せっかくひとりになれる場所を見つけたんなら、私がズカズカ入り込んでしまって申し訳なくなる。



「でもいいよ。羽澤なら」


「……えっ。い、いいの?」



唯一、誰も来ない葉月くんの隠れ家なのに?



「羽澤とふたりきりってことでしょ。俺は構わないけど?」


「……っ、」



どこか満足そうに口角を上げて微笑む葉月くんに、私の鼓動が一気に加速する。


葉月くんは、やっぱりズルい。


あっという間に私の体温をぐんっと上昇させるから。

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