【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「私、もう教室戻るから……」
これ以上、葉月くんといたら上手く話せる気がしない。
くるっと背中を向けて、出口に向かう。
「俺からすれば、ズルいのはお前の方だけどね?」
「……な、なに葉月くん?」
ボソッと葉月くんが小声で何かを呟いた気がして振り返る。
「なんでもない。ただ、今度からもっとまともな推理出来るようになってから来てって言ったの」
「……まともなって。違うよ!私がここに来たのは───」
あ……、しまった。
私はそこで、ようやく本来の目的を思い出した。
「あーーーっ!忘れてた!」
「今度は何?」
「来週の球技大会のこと言いにきたんだった!葉月くん、勝手に種目をバスケに決められちゃったよ!」
「は」
葉月くんが呆れ顔で私を見ている。