【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「メガネ外したら、咲希ちゃん好みの圧倒的なイケメンかもしれないよ!?」
咲希ちゃんの大好きな単語を浴びせてみた。
これなら食いついてくれるかもしれない!
「葉月が?いやいや、絶対ないね。もしかしたら、こーんな顔かもよ?」
……と、咲希ちゃんが子供みたいに人差し指で両目の端を釣り上げて見せてくる。
一瞬にして美人な顔が崩れ、えんぴつで書いたような細い目に変身する。
「あははっ。咲希ちゃんブスー」
「殴るわよ」
「……ごめんなさい」
咲希ちゃんはもう興味がないとばかりにスマホを取り出すと、日課のSNSをチェックし始めた。
「さ、咲希ちゃん聞いてよ!まだ他にも理由があるの!」
「もうっ!琴莉が好奇心旺盛なのは知ってるけど、注目するならもっと明るい男子にしたら?」
会話も弾むってもんよ、と咲希ちゃん。
私が興味あるのは葉月くんなのに。