【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
飛びつく勢いで起き上がると、葉月くんの顔をまじまじと確認する。
「……お前なぁ。自分の心配しろよ」
「っ、」
ベットの端っこまで身体を寄せたことを後悔する。
「羽澤?」
メガネをかけていない葉月くんを近距離で見たら、さっきまでおとなしかった心音がたちまち速くなる。
「な……なんで?メガネは?まさか、あのあと本多くんにボールを……」
「あるよ?」
「え!?」
ほら、と葉月くんがメガネを握った右手を私の前に差し出した。
「ああ、よかったぁ……」
今度は私が安堵の息を吐いた。
「頼むから無茶しないでくれる?」
「ご、ごめん……」
あの時は身体が勝手に動いて、あれこれ考える余裕なんか一ミリもなかった。
「心配でたまんないから」
……と、葉月くんが突拍子もないことを言うから、たちまち全身が熱くなる。