【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


勝手に尾ヒレを付けられて噂されているのに、葉月くんの瞳が楽しそうに和らぐ。


クスクス笑う葉月くんの声が弾んでいた。



「いいよ?私、勘違いされたままでも……」



心の中で思ったことを無意識に口に出していた。



「だって葉月くん、なんか楽しそうにしてるから。そんな葉月くんを見たら、噂なんてどうでもよくなっちゃうよ」



今度は私がクスッと笑って顔を上げると、葉月くんは目を見張って私を見つめ返した。



「やっぱりズルいのはお前の方だよね?」


「へ?私が!?」


「あんまりそういうこと言わないでくれる?」



ベットの縁に手をついて距離を縮めた葉月くんは、ちょっと意地悪に笑う。



「俺の方が、お前のことで頭いっぱいになりそうだから」


「……っ、」



色んな意味でね?と付け足した葉月くんのその声は、耳を伝って脳まで痺れさせちゃうんじゃないかって思ってしまう。


それくらい、私には刺激が強いっていうのに。



「責任とって?」


「な……っ、」



さらに、私が資料室で言った台詞を葉月くんがわざと真似して言って拍車をかけてくる。

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