【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「……葉月くんの方が、ズルいよ!スリーポイントで驚かせるし……運動神経抜群のくせに、わざと出来ないふりしてるもん!」
そう訴えても、誤魔化すように笑って、否定も肯定もしない。
「あーあ……きょ、今日はツイてないな。バレーの試合は負けちゃうし、ボールは頭に当たるし、おでこは擦り傷出来ちゃうし……」
ドキドキしてるなんてなんだか悔しくて、精一杯文句を浴びせる。
「せ、責任とってよ葉月くん……っ」
私が決死の思いで抗議していると。
「琴莉ーー!」
パタパタと咲希ちゃんの声とともに足音が近づいてきた。
それに気づいた葉月くんが、メガネをかけて椅子から立ち上がる。
“裏”葉月くんの素顔が、隠れる。
「責任とるよ?」
「へ?」
ベットから離れる寸前、葉月くんがこっちを向いた。
「その傷が残ったら、責任とるから結婚して?」
「なっ……!?ちょ、はづ、きくん……っ、なに、言って……」
「俺でよければね?」
───ガラッ!!