【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「で、でも!私はせっかく隣の席になったんだから仲良くなりたいなって」
「隣の席って……なるほどね?琴莉が昔のこと気にするのはわかるけどさ」
スマホから顔を上げた咲希ちゃんに、コクコクと頷いてみせる。
とある理由があって、隣の席の男子っていうところが私には非常に重要なのだ!
「でも、やめときなって。相手が仲良くしようとしてないなら、いくら琴莉が探偵気取りで調査したって、空振りだよ」
探偵気取りって……。
もっと他の言い方がなかったものか。
「そ、そんな……」
「わたしは別に、陰キャって言われてるからって葉月を否定したり、悪く言ってるわけじゃないのよ?」
「……じゃあ、どうしてダメなの?」
「外見をバカにしてるつもりもない。ただ葉月の場合、誰とも関わらないように自分から壁作ってるって感じでしょ?」
「そうなの!それが一番引っかかるの!」
私は隣の葉月くんが起きないように気にしながら、咲希ちゃんに激しく同意した。