【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
* * *
そして放課後。
「今日の調査は一時中止だからね葉月くん!」
「は」
帰りの支度を終えた私は葉月くんにビシッと宣言する。
手紙をもらった今、まずはそっちが先なのだ。
「明日からまた調査再開だから!徹底的に秘密を追求するからね!」
これ以上、からかわれっぱなしじゃたまんないもん!
「そんなことより、行くのやめれば?」
「え?」
素顔を隠すメガネを人差し指で上げた葉月くんが、私にだけ聞こえる声のボリュームで呟いた。
「なんかあったらどうすんだよ」
「なんか……?」
「わざわざお前のこと校舎裏に呼び出すとか。その手紙の送り主、ろくな奴じゃないと思うんだけど」
「で、でもっ、大事な話しがあるって書いてあるし……」
「ラブレターって、本気で思ってんの?」
「っ、」
「だから───」
なんだかその言い方が妙にバカにされた気がした私は、それ以上葉月くんの話を聞かずに教室を出ていった。