【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


まだ一度もきめたことがないくせにって、影で言われてる本多くんが語るのは理想の自分。


現に、本多くんは部活の練習中によく、水道のあるスペースにたまってサボっているらしい。


それなのにこんな逆恨みをするとは。


咲希ちゃんの言葉を借りるなら、スリーポイントをきめるはずだった、なんて……本多くんは夢見すぎだ……。


それを葉月くんのせいにするなんて。


どうしよう葉月くん、ホントに葉月くんの言う通りだった。


ろくな奴じゃない。

だんだんムカついてきた……!



「だから困らせてやりてーんだよ。陰キャで気持ちわりー葉月が、どんな顔すっかな?羽澤も見てみたいだろー?」


「っ、見たくないよ!!」



いよいよ我慢の限界を迎え、ついに私の怒りの導火線に火がついた。



「……お、おい。彼女だからって、んなキレんなよ」



ギャハハッと下品に笑う本多くんを、私はキッと睨んだ。


私は葉月くんの彼女じゃないけれど、それでも。



「怒るよ……当たり前じゃん!葉月くんのせいにして、私を呼び出して弱味を握ろうとするなんて……汚いよ!」


「ハァ?」



本多くんが驚いたように私を見る。

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