【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
ひとりでいたらきっと寂しいのに、葉月くんの場合はあえてそれを好んでるみたい。
ひとりになりたがってる。
時々、ふと葉月くんはいなくなる時があるし……。
授業が始まると、またふらっと戻ってくるけど。
「もし仮に琴莉の推理が当たってたとして。わざと陰キャを演じてるなら、それこそ理由が謎だって」
「そ、それにはやっぱり裏があるんじゃ……」
チラっと隣の席の葉月くんに目をやった。
ピクリともせずに眠っている。
出来るだけ咲希ちゃんの席に寄っていたから、今の会話は聞こえてはいないだろう。
「え。夜の10時からドットくんの生配信あるんだ!絶対見なきゃ!」
咲希ちゃんは大好きなSNSの動画配信者に夢中みたいだけど。
「琴莉も見てよこれ。カッコよくない?もうずっと推し活してたいわぁ」
私は、葉月くんの方が気になるんだけどな……。