【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「俺のことが知りたいなら俺に聞いて。だから金輪際、羽澤に関わらないで?」
「……な、なんだよ!お前喋れんじゃねーか!それに、今みたいに顔だって上げて……」
「聞いてんの?羽澤のことになると、俺はそんなに待ってあげないよ」
低く冷淡な葉月くんの声に、本多くんの肩がピクンっと跳ねた。
「……ハッ!そんなに羽澤にご執心かよ!必死にイキってるだけのくせによ……!じゃあ、手ついて俺に謝れ……っ!この陰キャが!そしたら、関わらないって約束してやってもいいぞ」
精一杯強がっているのか、本多くんの唇がぷるぷるしてる……。
「外見でしか判断出来ない人間が、なに偉そうに言ってんの?」
「……て、テメェ。ぶち殺すぞ」
や、やばい、葉月くんこれ以上は……。
そう思った直後、何かを感じとったのか、葉月くんが私の前に立つ。
「あれだね。弱い犬程よく吠える、だっけ?」
「舐め腐ってんじゃねぇ……!!」
いよいよブチ切れたであろう本多くんが、物凄い勢いで葉月くんに拳を繰り出す。
葉月くんが殴られる……っ。