【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
*溺れちゃうよ葉月くん
ラブレター事件から数日が経って、暑さの残る9月も終わりに近づく今日。
うーむ……。
未だに葉月くんの秘密の謎が解けていない。
今まで推理したことは全部バスレだったし。
他にどんな理由があるんだろう?
昼休み、葉月くんの秘密を考えながら売店から教室へ向かう。
咲希ちゃんはイケメン飛鳥くんを見に隣のクラスへ行っている。
「あ……」
チョココロネをかじりながら歩いていると、廊下に猫背の葉月くんがいた。
隣には……可憐な笑みが眩しい東條先輩。
立ち止まってふたりを見ているのも怪しい。
……いよいよヤバい奴になりかねない。
私が足を進めると、小さくだけど喋り声が聞こえてくる。
「双葉は心配しすぎ」
「当たり前じゃない。湊音のことなんだから」
やっぱり知り合いなんだ。
うぅ……ふたりの関係が気になる。
……と、目を泳がせていたら、ふたりが私の存在に気づいた。