【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
白状すると、葉月くんが体制を変えて私の正面にくる。
直視なんか出来なくて、思わず視線を床にやった。
「ふ……双葉って、名前で呼んでるし。私のことは、羽澤とかお前だよ?」
チラチラと目だけを動かせば、何度目かで葉月くんの瞳としっかり目が合ってしまう。
……って、葉月くんが、近い。
「な、なに?」
すると、葉月くんが考える素振りを見せたあと。
「“琴莉”?」
突然、葉月くんが私のことを名前で呼んだ。
今、琴莉って呼んだよね……?
「……っ、不意打ちなんて聞いてないよ!」
「あ、照れてる?」
「はい……!?なんで私が!」
葉月くんが床に手をついて、距離を埋める。