【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


───そして放課後、私の推理が的中する。



「すみませんでした……!」



なんと私は午後の授業で葉月くんばかり気にしていたせいで、先生にこっぴどく叱られたのだ。


その罰が居残りの課題である。


終わったあと、職員室まで提出しに行き、謝罪とともにどこから見ても馬のような顔をした担任に深々と頭を下げた。



「一年のうちからよそ見などするんじゃないぞ。甘えるな!次回はないからな!」



椅子にどっしりと座った担任兼国語教師の馬面(うまづら)が、フンッと鼻息を飛ばしてくる。


リアル干支キャラ大賞なんてものがあったら私は一番に馬面を推すだろう。


ブチ切り優勝だ。



「は、はいぃっ!気をつけます!」



職員室を出る頃にはもうすっかり陽が落ちていた。

咲希ちゃんは夕方の動画配信が見たいからととっくに帰ってるし。



「え……」



カバンを置きっぱなしにしていた私は、急いで教室に戻ってみたんだけど……。

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