【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「夢中になりすぎじゃない?」
「……私が葉月くんに!?」
私の反応がそんなにおかしかったのか、クスッと笑う。
そして……すっ、と葉月くんの人差し指が私の口の横を拭った。
「気づいてないんだね。ついてるよ?」
え?
人差し指を見せてくる葉月くんに、私の目が点になる。
チョココロネのチョコ……!?
なんともマヌケな大失態を犯したことに私は赤面する。
そんなことなど気にも留めず、ペロッと舐めて、
「夢中になっても仕方ないくらい甘くておいしいってことでしょ?」
夢中って、そういう意味だったの!?
チョコのことじゃないとか聞いてない。
てか……わかっててやったなぁ!
葉月くんが涼しげな笑みを向けてきたところで予鈴が鳴った。
「なにしてんの。授業始まるよ?」
さらに、東條先輩との関係だってうまく回避した葉月くん。
また誤魔化された上にしっかりからかわれた……。
だけど放課後。
非常に不本意な形で、私は葉月くんと二人きりになる出来事が起きる。