【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


午後の授業は11月の最初の週に行われる文化祭の出し物決めだ。



「誰か、立候補したい人はいませんかー!」



ウチのクラスはなんと演劇に決まった。


記憶を失くした王子がずっと想い続ける愛しい姫と出逢えるまでの物語……らしい。


他にもカフェとか縁日とか候補があったけど、プロの劇団員を目指していらっしゃるのかと思う女子がゴリ押しして決定した。



「琴莉はなんの役?わたしは意地悪な宝石売りなんだけど!」


「え、咲希ちゃんピッタリ!」


「もう一回言ってごらん?」



笑顔で拳を見せる咲希ちゃんに素直に謝罪を申し出た。


ちなみに私は名前のせいか、小鳥役である……。


司会が進めていく中、咲希ちゃんの元から席に戻った私は今後の予定表を確認した。


台詞も少しはあるのかな?


あ……!



「ねぇ、葉月くんはなんの役?」

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