【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


* * *


「わわっ!意外と滑るよ葉月くん!」



放課後、私と葉月くんが馬面に言いつけられたペナルティはプールサイドの掃除だった。


私の住む地域は9月でも暑すぎることもあり、今月の頭までこのプールを水泳部が使っていた。



「当たり前だろ」



プールサイドはぬるぬるしてるし、裸足だから気をつけないと……。



「てか……連帯責任とか嘘でしょ」


「そりゃそうだよ!だって葉月くんが絵で笑わせてきたんだから!」


「あんな笑うと思わなかった」


「葉月くんって、人の特徴捉えるのも上手なんだね!知らなかったよ」



あの絵を思い出してまた笑いそうになる。



「暑すぎ」



ワイシャツをパタパタさせて風を送り込む葉月くんの肌がチラっと見える。


……だ、ダメダメ。

免疫のない私には刺激が強い。

< 83 / 321 >

この作品をシェア

pagetop