【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡


も、もしかして、葉月くんは東條先輩が好き……とか?


もっと深く考えるなら、付き合ってるとか?


あの美人となら、内緒で付き合ってるからって理由で素顔を隠していてもおかしくないんじゃ……。



そうすればふたりが話しているところを誰かが見たって、まさか付き合ってるなんて思わない、って考えてるとか……。



「見すぎ」


「……あっ、いや……ちょっと推理してただけで」



って……。

自分で探偵じゃないと否定しておいて、もうすっかり葉月くんのペースに飲み込まれている。



「ふーん。じゃあその推理聞かせてよ?」



やけに得意気な顔をしてみせる葉月くんに、私の闘志は燃える。


なるほど、これはどうせ当たらないって思ってるんだ。


私は今分析して推理したことを全て話す。



「───って思ったの!どう!?当たった?」


「ハズレ」


「えっ」



悲しくなるくらい即答だ……。



「顔が真剣すぎ」



つんっと、葉月くんが指で私の頬っぺたをつついた。


触れられた部分がじわりと熱を帯びる。

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