【完】葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
「双葉は幼なじみ」
「幼なじみ!?」
……まさかの幼なじみ説だったとは。
そっかぁ!
だから親しげに見えたし“湊音”て呼んでたんだ。
「それは予想もしてなかったよ葉月くん!」
「探偵ならそれくらい推理してよ」
ぐぬぬっ……。
イタズラっぽい口調からは、どうせこの先も当てられっこないって言いたそうな余裕すら感じる。
「お前こそ、あっち観察すればいいのに」
「飛鳥くん?」
「圧倒的イケメンなんでしょ?」
「や、やだよ。私は葉月くんがいいんだから!」
声を大にして訴えると、葉月くんがくるっと背中を向けた。
「……不意打ちはどっちだよ、バカ」
「え?葉月くんなんて言ったの?」
「……別に」
葉月くんってば、また誤魔化す気だ!
「教えてよ葉月くん!ズルいよ!この前も校舎裏でなにか言ってたのに教えてくれなかったよ!?」
いつも誤魔化して、からかって。
プールサイドの掃除を再開した葉月くんに詰めよろうとしたその時だった。