偽りのキス

「おはよう」


「おはよ」



乙がマフラーをくれた


律からもらったマフラー




「え…?」



「清田くんから…
蒼汰にあげて…って」




乙が背伸びして巻いてくれた


乙の匂いがした




「乙のマフラーは?」



「今度、買うから大丈夫」


首元が寒そうだった





「今日、帰りに一緒に買いに行こう」



「え…」



「あ、別に今日じゃなくてもいいけど
寒そうだから…
明日からまた寒くなるっていうし…
でも…律と帰る?」


なんかオレ、焦ってる?




「んーん…もぉ清田くんと帰らないかな…」



乙は少し寂しそうだった




マフラーもオレにくれるとか



律と、なんかあった?







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